マンションの停電に備えるなら、冷蔵庫の食品も守りたいし、連絡手段も残しておきたい。そう考えるとポータブル電源が気になりますが、大きなものを今すぐ買うべきかは迷いますよね。
まず分けたいのは、停電中に何を使い続けたいかです。
スマホの充電と明かりが中心なら、小型の備えから考えられます。冷蔵庫も動かしたいならポータブル電源を検討できますが、買う前に手持ちの冷蔵庫へ給電できるかを確かめましょう。
| 自宅で守りたいもの・分かっていること | まず考えること |
|---|---|
| スマホの充電と明かりが中心 | モバイルバッテリーと電池式ライトなどで備える |
| 長引く停電でも冷蔵庫を動かしたい | ポータブル電源を検討する |
| 冷蔵庫の接続条件が分からない | 購入を保留し、型番と説明書を確認する |
「冷蔵庫を守りたいから大容量を買う」と、ここで決める必要はありません。自宅ではどの備えが足りていないのか、順に見ていきましょう。
スマホと照明が中心なら、大きな電源は必要?
連絡用のスマホと室内の明かりが主な心配なら、まず手持ちの備えを見直してみてください。
家族のスマホを充電するモバイルバッテリーはあるか。停電中に使える電池式のライトはあるか。この二つを確かめるだけでも、必要な買い物は変わります。
UR都市機構も、停電時のスマホ用にはモバイルバッテリー、明かりにはLED懐中電灯などを挙げています。(参考:UR都市機構「命と暮らしを守る防災の基本」)
スマホと照明のためだけに、大きなポータブル電源を選ぶ必要はありません。
マンションでは、停電に伴って給水ポンプやエレベーターが止まる場合もあります。
ただ、自室に電源を置いても、建物の設備まで動かせるわけではありません。水やトイレ、階段での移動の備えは、部屋で使う電気とは分けて考えたいところです。
では、心配しているのが冷蔵庫ならどうでしょう。「停電したら、すぐ電源につながないと食品が傷むのでは」と気になりますよね。
冷蔵庫は停電したらすぐ給電が必要?
冷蔵庫は、電源が切れた瞬間に庫内が常温になるわけではありません。パナソニックは、十分に冷えた状態で停電し、ドアを開けなければ、約2~3時間は冷えを保てると案内しています。
ただし、これは季節や設置環境、食品の量などで変わる保冷時間の目安です。「その間はどの食品も安全」と判断できる時間ではありません。
(参考:パナソニック「冷蔵庫の停電前の準備と停電時・停電復旧後の対処方法」)
短時間の停電が心配なら、まずドアの開閉を減らすなど、電源を使わずにできる備えがあります。
一方で、停電が長引いても冷蔵庫を動かし続けたいなら、給電手段を検討する理由があります。
その場合も「何Whなら冷蔵庫が何時間もつ」と、型番を見ずに決めることはできません。使える時間には限りがあり、停電中に再充電できるかも関わります。
容量を選ぶ前に、そもそも自宅の冷蔵庫をどうつなぐかが先です。
通信も守りたいなら、電源でどこまでできる?
冷蔵庫と一緒に、家族との連絡や情報収集も気になりますよね。ここではスマホを充電する備えと、自宅のWi-Fi機器を動かす備えを分けます。
スマホの充電が目的なら、モバイルバッテリーから考えられます。自宅のWi-Fiも使いたいなら、ルーターだけでなくONUなど、回線に必要な宅内機器への給電も検討することになります。
ただ、家の中の機器が動いていても、建物や通信事業者側の設備が止まれば、インターネットにつながるとは限りません。
NTT東日本も、自宅が停電していない場合であっても、通信設備側の停電でサービスを利用できないことがあると案内しています。(参考:NTT東日本「停電に伴う通信サービスへの影響について」)
ポータブル電源で用意できるのは、まず自宅の機器に使う電気です。「ルーターに給電できる=停電中も通信できる」ではないことを踏まえ、スマホの充電や別の連絡手段も残しておきましょう。
買う前に、自宅の冷蔵庫へ給電できるか確かめるには?
ここまで読んで「うちは冷蔵庫にも電源が必要そう」と思ったら、商品を選ぶ前に手持ちの冷蔵庫を見てみましょう。
容量や価格だけで選んでも、接続方法が分からなければ停電時の備えとして使えません。
型番・説明書と配線の条件
まず冷蔵庫の型番を控え、その機種の取扱説明書で電源プラグの接続方法を確かめます。
例えば日立は、冷蔵庫の電源プラグを延長コードやタコ足配線ではなく、壁のコンセントに直接差すよう案内しています。
これだけで、すべての冷蔵庫がポータブル電源に使えないと決まるわけではありません。自宅の機種ではどう扱うべきかを、説明書やメーカーへの問い合わせで確かめる必要があります。(参考:日立「電源コードはどこから出ていますか?」)
動き始めるときに必要な電力や、電源を置いて無理なく配線できるかも見落とせません。「冷蔵庫対応」と書かれた商品を見つけても、自宅の冷蔵庫で使えるかは別の確認です。
購入後に接続で困らないよう、型番を控えたら自宅の冷蔵庫の接続条件と確認手順へ進んでください。説明書のどこを見て、分からない点をメーカーにどう聞くかまで整理できます。
停電時に手でつなぐか、不在中も守りたいか
接続条件に加えて、停電したときの動き方も考えておきましょう。在宅中に手でつなぎ替えるつもりなら、冷蔵庫のプラグに手が届き、電源を置ける場所が必要です。
外出中も冷蔵庫を守りたいなら、手動でつなぐ方法だけでは目的を満たせません。
常時接続や自動切替を検討する場合も、機能名だけで選ばず、冷蔵庫側と電源側の条件を照合します。
接続できる条件が分かったら、次は「どのくらいの時間、何を動かしたいか」です。
冷蔵庫に通信機器も加えるのか、停電中に再充電できるのかを整理してから、冷蔵庫と通信のための容量帯の決め方へ進めます。機種を比べるのは、その後で十分です。

