冷蔵庫を停電中も使いたい。そう思って電源を探すと、1,500Whや2,000Whといった大容量の機種も出てきます。
「長く使えそうだけど、ここまで大きな電源が必要なのかな?」
容量に余裕があると心強く感じますよね。でも、重くて取り出せなかったり、冷蔵庫の近くに置けなかったりしたら、せっかくの備えを使いにくくなってしまいます。
大容量を選びたいのは、守りたい機器と使いたい時間を整理して、約1,000Whより多くの電気が必要になりそうなときです。
そこからは、容量を増やすだけでなく、自宅で扱える重さと大きさも一緒に比べていきましょう。同じ約2,000Whでも、容量は近いのに重さは6kg以上違う組み合わせがあります。
この記事では、大容量が必要になる条件を確かめてから、約1,500Wh・2,000Whの3機種を比較します。置き場所や移動、保証と回収まで見て、買う前に「家でどう使うか」を具体的にしていきましょう。
冷蔵庫用の電源は、どんなときに大容量が必要?
「長い停電が心配だから、なるべく大きな電源にしておこう」と考えることもあると思います。
ただ、必要な容量は、どの機器をどれくらい使いたいかで変わります。まずは、容量を増やすことで何を守りたいのかを整理してみましょう。
使いたい機器と時間、途中の充電を整理する
冷蔵庫だけをつなぐ場合と、ONU・ルーターや照明も一緒に使う場合では、電源から取り出す電気の量が違います。
つなぎたい機器が決まったら、それぞれの使用時間も書き出してみてください。
「冷蔵庫は長めに使いたいけれど、照明は夜だけ」というように、すべてを同じ時間にそろえる必要はありません。
- 停電中に使いたい機器
- それぞれを使いたい時間
- 途中で電源を充電できる見込み
このうち、充電の見込みは少し慎重に考えたいところです。
充電方法があることと、停電中にその方法を使えることは別なんですね。ソーラーパネルを持っていても、天候や設置条件によっては、必要な量を充電できません。
使える充電手段が決まっていなければ、途中で充電できない場合も含めて容量を考えておきましょう。
なお、ONUやルーターへ給電できても、回線側の設備が使えなければ通信できないことがあります。宅内機器の電源を確保することと、回線がつながることは分けて考える必要があります。
約1,000Whで足りる場合と、容量を増やしたい場合
機器と時間を整理して、約1,000Wh帯で検討できそうなら、初めから大容量だけに絞らなくて大丈夫です。
反対に、冷蔵庫を使う時間を延ばしたい、ほかの機器にも電気を使いたい、途中の充電を見込めないといった条件で必要な電力量が増えるなら、約1,500Wh・2,000Wh帯も比べる意味があります。
今の確認状況を、次のように分けてみてください。
| 自宅で整理できていること | 次に比べたいもの |
|---|---|
| 必要な電力量を見積もり、約1,000Wh帯から検討できそう | 約1,000Wh機の出力・寸法・重さ |
| 約1,000Whでは希望する使い方に足りなさそう | 約1,500Wh・2,000Wh機の容量増と扱いやすさ |
| 機器の消費電力や使いたい時間がまだ曖昧 | 商品を決める前に、必要な容量の見積もり |
ここで気をつけたいのが、冷蔵庫のラベルにある年間消費電力量です。日割りした数字だけで、「この容量なら一晩使える」とは決められません。
実際の電気の使われ方は、冷蔵庫の運転や停止、室温、扉の開閉などで変わります。
「冷蔵庫のラベルは見たけれど、どの数字を使えばいいの?」という場合は、ラベルから分かることと分からないことを先に整理しておくと、容量の見積もりを進められます。通信機器を使う分と必要時間を合わせる考え方も、次の記事でまとめています。
見積もった結果、約1,000Wh帯から選べそうなら、小さい容量帯の機種とも比べてみましょう。
必要な出力を満たし、置き場所や重さも自宅に合うなら、容量を増やさずに選べるかもしれません。約1,000Whの電源の重さ・置き場所比較では、その違いを確かめられます。
約1,500Wh・2,000Whの3機種は何が違う?
容量を増やす必要がありそうなら、次は「どれくらい増えて、どれくらい重くなるのか」を見ていきます。
ここで比べるのは、Jackery 1500 New、Jackery 2000 New、BLUETTI AORA 200です。約1,500Whの1機種と、約2,000Whの2機種を並べると、容量だけでは見えにくい違いも分かります。
容量の増え方と重さを一緒に比べる
まずは、メーカーが公表している容量・出力・寸法・重量を並べます。
| 項目 | Jackery 1500 New | Jackery 2000 New〈JE-2000D〉 | BLUETTI AORA 200 |
|---|---|---|---|
| 公称容量 | 1,536Wh | 2,042Wh | 2,073.6Wh |
| 定格AC出力 | 2,000W | 2,200W | 2,200W |
| 本体寸法 | 330×221×242mm | 335×264×292mm | 350×250×323.6mm |
| 重量 | 約14.5kg | 約17.9kg | 約24.2kg |
表の2000 NewはJE-2000Dです。同じ販売ページにある2000 New V2と取り違えないように、選ぶ型番を合わせてください。
AORA 200の旧名称はElite 200 V2です。メーカーは、名称変更による仕様・性能・品質の変更はないと案内しています。
蓄えられる電気は増えます。どの容量帯まで必要かは、先ほど整理した機器と使用時間に合わせて考えましょう。
もう一つ、表で見ておきたいのが約2,000Whの2機種です。
2000 NewとAORA 200の公称容量差は31.6Wh。一方、重量差は約6.3kgあります。
容量は近くても、収納から取り出して運ぶ負担まで同じではないんですね。
停電時に別の場所へ運んで使う予定なら、容量の数字と一緒に、この重さの差も考えておきたいところです。
運ぶ重さが合ったら、本体の大きさとコードを差す空間も確かめます。後ほど、実際に使う置き場所と合わせて見ていきましょう。
大容量と高出力は分けて考える
容量のWhと、出力のWは、別のことを表しています。
今回の3機種の定格AC出力は2,000Wまたは2,200Wですが、この数字だけで自宅の冷蔵庫が動くとは判断できません。
冷蔵庫では、運転中の消費電力とは別に、起動時の負荷も確認が必要です。
さらに、取扱説明書の接続指示や配線の条件も、冷蔵庫の型番に合わせて照合することになります。
容量が必要時間に合うかと、冷蔵庫を接続・起動できるかは別の確認です。容量を増やしても、接続条件の不明点が解消するわけではありません。
同じように、2,000Wと2,200Wの差が、冷蔵庫と通信機器を使うために必ず必要な差とも限りません。つなぐ機器の条件が分からないまま、高出力な方へ決める必要はないんです。
「冷蔵庫のどこを見ればいいのか」「起動時の数字が分からなければ何を聞けばいいのか」という部分は、次の記事で確認できます。
型番で調べる項目と、メーカーへ問い合わせる内容を整理してから、商品を選びましょう。
マンションに置けて停電時に取り出せる?

必要な容量と接続条件が合っていても、使う場所へ運べなければ困ります。
本体が棚に収まるかだけでなく、収納から取り出して給電するまでの動きを考えてみましょう。普段の置き方によって、同じ重さでも使うときの負担は変わります。
収納するときと、給電するときの場所を分ける
収納場所の寸法を測るときは、本体が入るかだけを見てしまいがちです。
でも、使うときには電源コードを差し込み、放熱のための空間も確保する必要があります。
収納できる場所が、そのまま給電に使える場所とは限りません。
たとえば、扉付きの棚にしまうなら、停電時にはどこへ出して使うのかまで決めておきたいところです。
出して使う場所では、次の点を見ておきましょう。
- 本体を安定して置ける場所があるか
- コードを差し込んでも無理なく配置できるか
- 通気口を物でふさがず、説明書で指定された空間を確保できるか
- 通路や避難するときの動線をふさがないか
この中で、本体寸法だけでは分からないのが、コードと通気に必要な空間です。
比較表の数値が棚に収まるからといって、それだけで置き方を決めないようにしましょう。選ぶ機種の図や説明書と、実際に使う場所を合わせて確かめます。
必要な通気距離も、機種ごとの指示に従ってください。
温度は、使う場所だけでなく、普段しまっておく場所でも気にしておきたい点です。
NITEは、リチウムイオン電池搭載製品の注意喚起で、高温になる場所で使用・保管しないよう呼びかけています。
日差しの当たる場所などを考えているなら、広さだけでなく、そこで本体が熱くならないかも見ておきましょう。
持ち運びと普段の充電まで考える
今回の3機種は、最も軽い1500 Newでも約14.5kgあります。
「家の中を少し動かすだけ」と思っていても、棚から下ろす、扉を通る、角を曲がるといった動きが加わります。誰が、どこからどこまで運ぶのかを、収納場所から順に思い浮かべてみてください。
高い棚から重い本体を下ろしたり、抱えたまま狭い通路を通ったりする置き方は、できるだけ避けたいところです。
使う場所の近くに保管できれば、停電時の移動は減らせます。
それでも、掃除や片付け、修理の発送などで動かすことはあります。据え置きにするから重量を無視してよいわけではありません。
普段の充電でも、この移動が関わってきます。
充電時に必要な入力電力は、家電へ供給する定格出力とは別です。
説明書にある充電方法やコンセントの条件を確認し、充電中に一緒に使う家電にも気を配ってください。
停電時に取り出せるだけでなく、普段から残量を見て、無理なく充電を続けられることまで含めて選びたいですね。
保証と回収まで含めて、購入後も扱える?
置き場所と移動の見通しが立ったら、買った後の条件も見ておきましょう。
大きな電源は、故障時の発送や使い終えた後の回収でも、梱包して運ぶことになります。保証年数と回収サービスの有無だけでは見えにくい負担もあるんです。
モデル名・購入先・保証の条件をそろえる
購入ページを開いたら、まず比較したモデルと、注文するモデルが同じかを確かめます。
特に2000 Newのページには、JE-2000Dと2000 New V2の選択肢があります。
色を選んだつもりで別モデルの仕様を見落とさないように、名称と型番を合わせてください。
保証年数と、延長登録が必要かを一緒に見ておきましょう。
| 比較候補 | 購入先と保証条件 |
|---|---|
| Jackery 1500 New | 公式サイト購入では3年保証+2年の自動延長。保証登録不要 |
| Jackery 2000 New〈JE-2000D〉 | 公式サイト購入では3年保証+2年の自動延長。ほかの購入先では延長登録の条件が異なる |
| BLUETTI AORA 200 | 旧名称Elite 200 V2の公式紹介では5年保証。購入するモデルへの適用条件を確認 |
Jackeryの2機種は、公式サイトで購入する場合の案内です。
保証年数を見るときは、どこで買うかもセットで確かめます。2000 Newを別の購入先で買う場合は、延長登録が必要かも合わせて見ておきましょう。
AORA 200の旧名称、Elite 200 V2では5年保証が案内されています。注文するときは、AORA 200に適用される保証期間と条件を商品ページで確かめましょう。
保証期間の記載が見つからない場合は、購入するモデル名を伝えてサポートへ問い合わせます。
年数を確かめたら、購入先、対象モデル、適用条件が分かる案内と注文番号も残しておくと、その後の問い合わせに使えます。
使い終えた後の梱包と送料も見ておく

両社とも回収サービスを案内しています。ただ、回収無料は「送り返す送料まで無料」という意味ではありません。
回収へ出せる製品の条件は、会社によって違います。
- Jackery:国内で販売されたポータブル電源本体が対象。ソーラーパネルやアクセサリーは対象外
- BLUETTI:国内販売品、正規購入経路、自治体で回収できない場合などの対象条件がある
回収に出せるかを確かめたら、次は発送です。
送料はどちらも利用者負担で、発送用の箱や梱包も自分で用意する必要があります。BLUETTIは、注文番号を添えて窓口へ連絡し、送付先を確認する案内です。
重い本体を梱包して発送することまで考えると、家の中での運びやすさと、使い終えた後の扱いやすさはつながっています。
具体的な送料は、発送元や梱包後の大きさ、運送会社によって変わるため、一律の金額では比べられません。
回収へ出すときは、対象品と発送方法をその時点の案内で確かめてください。
自宅の条件に合う大容量機を選ぶには?
ここまで見てきた、必要な容量と、自宅で扱えるサイズ・重さ。この両方が合うものから、購入する候補を絞っていきましょう。
容量を増やす理由があっても、置き場所や移動に無理がある機種まで買う必要はありません。家で使う場面が具体的に浮かぶものについて、現在の価格や在庫を比べます。
約1,500Wh帯を候補にする場合
必要な電力量を見積もり、約1,500Wh帯で考えているなら、候補の一つがJackery 1500 Newです。
公称容量は1,536Wh、重量は約14.5kg。今回の約2,000Wh機より蓄えられる電気は少ないものの、本体を動かすときに持ち上げる重さも抑えられます。
約2,000Whまで増やす必要がなければ、容量の大きさだけで上位の機種を選ばなくてよいんです。
もちろん、14.5kgを気軽に運べると決めつけないことは、ここでも同じです。収納から取り出す人と使う場所を考え、本体のサイズを自宅のスペースに合わせてみましょう。
その置き方で無理なく使えそうなら、選んだ商品の在庫と発送予定へ進めます。
色や選択肢によって発送時期が違う場合もあるので、注文するものに合わせて確かめておきたいところです。公式サイト購入時の保証条件も、合わせて確認できます。
約2,000Wh帯を候補にする場合
約1,500Whでは希望する使い方に足りなさそうなら、約2,000Whの2機種を比べます。
同じ容量帯で持ち上げる重さを抑えたい場合は、約17.9kgのJackery 2000 New〈JE-2000D〉が候補になります。
収納から使う場所まで動かす予定なら、この重さを扱えるかと、335×264×292mmの本体が置けるかを一緒に考えてみてください。
その条件が合うなら、販売ページでは比較したJE-2000Dを選んでいるかが次の確認です。2,042Whという容量だけでなく、型番と現在の価格、在庫・発送予定、保証条件までそろえてから注文しましょう。
もう一つ、同じ約2,000Wh帯で比べられるのが、BLUETTI AORA 200です。
公称容量は2,073.6Whで、2000 Newと近い容量があります。ただ、約24.2kgあるので、置けることに加えて、必要なときに動かせることが大切になります。
この重さを自宅で扱えるなら、現在の価格・在庫と、購入するモデルの保証条件を2000 Newと並べてみましょう。
価格は、本体単品かセットかをそろえ、使えるクーポンや送料を含めて、全部でいくらかかるかで比べます。容量が近い2機種だからこそ、支払額と重さ、購入後の条件まで合わせて選びたいところです。
AORA 200の販売状況は公式商品ページから確かめられます。適用される保証期間がページだけでは分からない場合は、サポート窓口へ問い合わせてから注文してください。
約2,000Whでも必要な電力量を満たせる見通しがない場合や、接続・置き場所に不明点が残る場合は、ここで購入を決めず、条件を確かめるところへ戻りましょう。
必要な容量が分からなければ、守る機器と使いたい時間を整理し直します。接続や置き場所が曖昧なら、その条件を確かめてから選び直してください。
大容量を選ぶときは、蓄えられる電気の量と、家で扱える大きさ・重さを一緒に考えること。
容量だけでなく、「どこに置いて、誰が取り出し、どう充電を続けるか」まで決まれば、自宅で使う姿を思い浮かべながら一台を選べます。
